拡張と縮小はほぼ殆どの企業の成長の過程で必ず遭遇する問題で、ある管理専門家によれば、これを企業の発展戦略の中の加法と減法と称する。ものごとで足すのか減らすのか、企業によって異なる心得がある。言わば“足し算と引き算”は企業の発展を求める手段で、また危機を脱する手段でもある。“今日食品”は巧みにその“足し算と引き算”をして、企業の成長を妨げる大きな“天井”を突破した。
11月5日10時半、約束の時間に記者が奉化渓口に位置した寧波今日食品有限会社まで来た。3階でガラス仕切りで、微かに見える10何人位入った小さいな会議室の扉が閉じていた。社長補佐の袁剣が私達を連れてそっと会議室を避けて、社長の陳義方の事務室のほうに入った。約束の時間から1時間過ぎたところ、やっと陳義方が事務室に戻ってきた。“申し訳ないで、会社は毎日精密化管理例会をしています。
どのような“精密化管理会議”が精密なことを要して毎日されるのかと、記者の不思議な表情を見て、陳義方はおしゃべり出した。私達の取材もここから開始。
陳義方は指を折って次のことを数え上げて、全てのコストは増加していますと話しを続けた。
元の為替レート、預金・貸付利率、輸出税還付率と原油の価格、原材料の価格、労働力の価格、また輸出商品の価格、その全部を“3率4価”と称して、どれも企業を絞める荒縄のようですと。
「今日」は景色の美しい渓口に位置し、1992年に創業、現在国内で最大のマグロ加工企業として、年間3万トン生産している。
長年「今日」はずっと本職を固守して、多元化の投資がありませんでした。長年の蓄積で、今資金チェーンは緊迫しませんが、但し、最も困惑するのは、企業の生産能力を拡大しても、利益は増えませんと、陳義方は記者に言った。
労働力、水、電気、ガス、包装、資材、物流……どれも上昇しないものがないのです。陳義方は一つ一つ例を取り上げて記者に説明した。コストが上昇して、企業の利益が大幅縮まった。
これらの悩みの要素は“3率4価”と称して、つまり人民元相場、預金・貸付利率、輸出税還付率と原油の価格、原材料の価格、労働力の価格、輸出商品の価格のことで、どれも企業を絞める荒縄のようである。
“これら外部からの衝撃は私達の意志によって変えるものではなく、私達は天からぼたもちが落ちてくることを期待できなく、内部を通してコストを削減し、潜在力を掘り起こすしか方法がありません。”と陳義方は説明を続けたが、“私達が生産しているすべての製品はコストがいくらなのか?どれがコストが超えたのか?どれがコントロールできたか?できてなかったら問題がどこなのか、と毎日すべて心に打算があること、これが精密化会議の内容です。
水産加工企業は労働力密集型の企業に属し、「今日」は今従業員が1200人いる。“今、会社の労働力コストは毎年15%-20%のスピードで直線に上昇し、その上若者がみな水産加工を嫌がって、会社では35-50歳の従業員が多数占めて、彼(彼女)達の教育レベルは比較的低いので、労働力の育成訓練のコストも上昇しています。
人民元相場の上昇は1本の絞めるきつい縄で、“輸出額の4000万ドルの計算で、人民元は1%価値が上昇すれば、40万ドルを水に流すことを意味します。”これは一つ中小企業にとって、よくも1年の利益が蒸発したとのことである。
“3率4価”は企業を悩ました。しかし「今日」にとって、最も悩むのはまだコストの上昇ではなく、原材料の資源の欠乏である。
大樹に寄って、原料の問題を解決した
「今日」の創立当初、ただ疎らなマグロの資源を利用して加工した。資源に限られて、企業は大きくしたいと思っても不可能だった。どのように成長の“天井”を突破するか、金融危機の傷の痛みに遭遇した後、2010年に「今日」は“変化を図って”、巧みに“足し算と引き算”をして、「今日」が1本の発展の道を探し当てた。その内最も大きい “加法”の一つは戦略的投資家――浙江オーシャンファミリー有限公司を導入すること。「オーシャンファミリー」は万向グループ傘下の一企業である。
2010年初め「オーシャンファミリー」から「今日」を探し当てて、資本の再編成を打ち合わせた、交渉はとても順調だった。2010年5月「今日」は正式に戦略的投資家を導入した。
“これこそ惜しまないで捨ててやっと得るものがある。”と陳義方は頗る“大樹に寄った”感じがあって、「オーシャンファミリー」が持株会社になってから、私個人の権利は小さくなりましたが、しかし管理はいっそう規範に合わせて、同じくマグロ加工用の原材料の資源のために困ることもありませんでした。”と言った。
遠洋の漁業資源を保護するため、国際で割当をもらわなければ漁ができないことが定められいる。中国でマグロの巻き網漁ができる遠洋の船が20隻だけ、年間生産量が約15万トン。「オーシャンファミリー」のは年間捕れても2万トンだけで、そこで「オーシャンファミリー」が中国の各大漁業会社と協力して、 更に「今日」の原料の供給を保障した。
“戦略的投資家を導入して、今見たところ、この手を打つのは正しいです。”陳義方は言った、食品企業の最大問題は加工用の資源で、今度の戦略的調整と資本の再編成をして、「今日」が成長の“天井”を突き破ったとは言え、「オーシャンファミリー」も更に産業チェーンを固められて、双方に利益にった。
取捨選択し、目玉品目に専念
陳義方は、製品は幾ら多くても、目玉商品がなければ、企業は如何なる製品に十分な発言権がなく、競争力も持てませんと言った。
再編成前、「今日」は製品をたくさん生産して、カニ肉、ムキエビ、冷凍魚の切り身など30何種類あったが、市場からの注文は変化が激しくて、企業はよく対応しきれなかった。その上資源の優位性がないため、価格の上でも発言権が持てない。
“5本の指を開くよりこぶしをしっかり握ったほうがいい。”陳義方は、再編成後「今日」は“減法”をして、競争力のない製品を削除し、努力して付加価値の高い目玉品目をしっかり作ると 会社の全従業員大会の上で厳粛に宣言した。
“今、私達は主に‘2本の魚’と‘1つの花’をしっかりと作っています。”陳義方は笑って記者に、“2本の魚”はマグロとサバのことで、“1つの花”はブロッコリのことですと 言った。
「今日」は寧海、鎮海で4000数ムーのブロッコリを栽培している。冷凍乾燥して、それを持ちやすい保存食に作る。製品は100%輸出。
マグロの加工は、製品の歩留まりが極めて重要です。歩留まりを1%高めれば、かなりの利益が出てきます。マグロの加工工程で、多少端材が発生し、企業としてできるだけその端材を生かしますが、しかし技術的な制約があって、大部分は使えものにならなかったのですと 陳義方は記者に話した。
“端材も資源。良く利用すれば、1つ新しい利益の源となります。”と陳義方は言った。魚の骨を魚粉にするとか、マグロを即席のそぼろにするとか……、「今日」ではこのように“端材を生かす”製品は幾つも作っている。魚の内臓、魚油、もし高度な加工をすれば、健康食品、肝油などに作れる。
“マグロにはコーヒー色の肉があります。俗称赤肉と言って、私達はそれをペットの缶詰に作って、年間売上高を1000万元以上増やしました。”と社長の補佐袁剣の紹介でした。
「今日」は又もう一つの魚――サバを狙った。これは1種の低級感じの魚で、野菜市場と水産市場で特に安く売られている。
陳義方はこう記者に言った。黄海、東シナ海などの近海でサバの資源は比較的豊富です。漁法と加工技術の改善に伴って、今加工されたサバの味が大分よくなりました。現在「今日」ではサバの年間加工量が5000-10000トンあります。私達はサバをフィレーにして販売し、サバの缶詰も作って輸出して、年間2,3千万元の注文を受けています。「今日」はすでに国内で水産物の缶詰をEUまで輸出する有数な企業の一つになっていますと。
魚は鮮度が大事。陳義方はもっと大きい計画をしている。つまり単独でやる漁民又は漁業協同組合と提携して、サバが捕れた後船で先ず迅速に冷凍をかけ、それを陸揚げ・加工すれば、魚の鮮度が維持できる。
一方で“減法”をして、利益の低い製品を取り除き、ローエンドを放棄するが、一方“加法”をして、ハイエンドをねらって、“2本の魚”を十分に利用し、深く細かく入念に作製する。これこそ豪放な増加型から抜け出して、精密化生産に収益を求める。
“来年私達は2000数万元を投資して、デンマークから先進的な設備を導入し、それをマグロ加工中に出てきた端材の処理に用います。”と陳義方はまたこういう話しをしてくれた。この設備で処理した端材は、材質と加工度によって化粧品又は健康食品の原材料にされます。これが将来企業の1つ新しい経済成長点ですと。
内販を開拓、マグロが市民の食卓へ
人々の生活水準の高まることに従って、その飲食等の消費要求もますます高くなり、海産物に対する需要量が特に目立つ。企業はこの時内販の戦略をスタートして、市場の先行チャンスを捉えると同時に、消費の潮流にも乗る。
最近、「オーシャンファミリー」は北京、上海のなどで専売店を開業して、そこで最も新鮮なマグロ製品を販売している。「今日」の加工したマグロなどの製品もこのルートを通して全国に向かって、市民の食卓に上がった。
“以前は私達の製品は100%輸出、今は上海、北京などの8都市で専売店ができました。寧波でブランド専売店またはブランドコーナーも開いて、少し卸値より高い価格でマグロを販売しています。”と陳義方はこういうことを記者に教えた。マーケティングでは、「今日」は“加法”をします。転じて国内市場を攻略し、市民に常に“取れ立ての物を食べる”ように新鮮なマグロ提供しますと。
先月、「オーシャンファミリー」は淘宝ショッピングセンターと中糧ネットでフラッグシップショップを出して、「今日」の製品をネット販売このもっと広大な市場にも上げた。
海外新興市場の開拓も「今日」の選択である。去年から「今日」は積極的に東ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米などの新興市場を開拓して、すでにある地区に比較的安定的なユーザー層を擁した。
「今日」の職場で、記者は従業員達の秩序立って忙しいことを見た。もう一つの職場では、タイから輸入した新しい設備が丁度据え付けされている。これは「今日」の2000万元の投資でマグロロインの加工場を増築している。来月竣工したらマグロの加工量は年間2万トン増加増価し、「今日」の年間生産量が今の3万トンから5万トンまで上がる。この中国最大のマグロ加工企業は、戦略調整をして、“冬を越す”の食糧を用意しておくだけでなく、その上未来の市場競に必勝の自信を示している。
関連リンク
マグロは“魚の王”の名誉があり、肉質が柔らかくて美味しい。環境汚染されいていないので、とても得難い健康な美食である。マグロの蛋白質の含有量は20%に達し、脂肪の含有量もとても低い。俗称“海底のニワトリ”。マグロは30余り種があり、割に経済的価値の高いものが6種類。本マグロ、メバチ、キハダ、カジキ、ビンナガとカツオで、前の4種類は主に刺身用、後の2種類は主に缶詰に用いる。
東南商業情報の2011.11.8から転載
“魚の王”のマグロ |